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覇の回36 ページ36
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それから約30分後。
未詳に駆け込んできた男は、ダンっと資料を有栖川の机の上に叩きつけた。
「流石。30分以内にやればできるじゃん。
仕事が早くて助かるわ、錦戸くん」
錦戸亮は捜査一課時代の有栖川の後輩で、有栖川が教育係りを務めた男だ。
故に有栖川にいい使いパシリにされている。
「困りますよ、先輩！こんなの櫻井さんにバレたら処刑ですよ！？処刑！？」
「それは残念だわ。１課から情報提供してくれる可愛い後輩が死んじゃうなんて。
お墓に月命日には必ず花を手向けるから、許して」
「僕を守るという選択肢はないんですね！？」
「ええ、もちろん」
錦戸が持ってきた資料を捲りながら、彼の話を聞き流すように受け答えている有栖川。
そんな彼女に何を言っても無駄だと分かったのか、錦戸は反論を辞めた。
「そんことより、なんでこんにも必死に調べるんですか？
病死で片付いてるじゃないっすか」
「病死じゃないよ。殺しだよ、これ」
資料全てに目を通した有栖川は、コーヒーを1口啜った。
「資料ありがとう。これで、なんとなく全部分かった」
「ほんとですか？」
「後は丸山さんが戻ってから答え合わせするだけかな」
優雅にコーヒーを飲む有栖川はそんなことを呟きながら、背もたれに体をあずけた。
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作者名：ゆう☆
| 作成日時：2016年2月18日 3時
