SPEC 覇の回 (ページ4)

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覇の回4 ページ4

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丸山が引っかかること、それは上司の態度だ。

いつもならお人好しの丸山に対して『あまり情を入れすぎんなよ』とか『ほどほどにな』等の言葉がかけられるのに今回は違った。

『これ以上捜査するな』ただ一言だ。

なんでも上層部からの圧が半端なく掛かってるらしいが、『ただの事故』にそこまで上層部が圧をかける意味が分からない。

被害者は極々普通の男子高校生。

少々交友関係が派手で女性関係もトラブルの多い方だったみたいだが、そんな案件過去にも多々ある。

「上の人達は、何を隠してるんやろ…」

これが『ただの』事故ではないことは、もう明白だったが証拠がない。

それに階級もあまり高くなく、キャリアもない丸山には上に楯突く程の発言力もない。

彼の実力では、出来ることに限界があった。

「あれ？お手上げって感じかな？」

とっくに定時は回り、既に夜も遅い時間。

まさかまだ人が居たなんて思いもしなかった。

声が聞こえた方を見ると、スーツをゆるっと着た丸山とほぼほぼ同世代くらいの男が立っていた。

「えっと、どちら様で…」

「あ、大野です。

未詳の係長やってます」

ふわりと笑った男は軽く会釈をした。

これが、出会いだった。

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