SPEC 覇の回 (ページ29)

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覇の回29 ページ29

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翌日、有栖川は桐山家の玄関前に来ていた。

昨日のうちに連絡し確認しておいたので、今日は家族3人が自宅に居る事は知っている。

インターフォンを鳴らすと、は～いと伸びた声が聞こえドアが開いた。

「電話させて頂きました、警視庁公安部公安第５課未詳事件特別対策係の有栖川Aです」

「桐山照史の母です」

「本日は息子さんの事件のことで伺いことがありましたので、参りました」

「はい。旦那も息子もおります。どうぞ」

柔らかい印象の桐山の母。

有栖川は、写真で見た桐山の雰囲気にどことなく似ているなと感じた。

家に上がるとリビングに通された有栖川。

そこには私服姿の桐山望と、新聞を開いている中年男性がいた。

「あ、刑事さん！どうも！」

「警視庁公安部………、どうも、有栖川Aです」

自分の部署が長すぎて、端折る有栖川。

そんな彼女を見てクスリと笑ったのは望だった。

「早速ですが、息子さんの件ですが気になることが幾つかあったので単刀直入にお話させて頂きます」

キッチンからお茶を持ってきた母が湯呑みを置くと、その場の空気が張り詰めた。

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