SPEC 覇の回 (ページ26)

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覇の回26 ページ26

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「遠山優人…。事故死した子やろ？

この子の遺体にはおかしな点はなかった」

「……そう、ですか」

横山の見解に小さくそう呟いたのは丸山だ。

「あくまで"死体には"おかしな点がなかっただけや」

「というと？」

「事故の状況があまりにも不自然過ぎる。これはただの事故ちゃう。これは、殺人や」

そう断言した横山は、コーヒーカップを手に取った。

「遠山が乗っ取ったバイクを調べてん。あのバイクのブレーキハンドルはありえへん方向に曲がっとった。

どう考えても意図的に誰かがねじ曲げたとしか考えられへん」

そこまで言うとカップに口をつけ、コーヒーを啜った。

「ただ問題はいつ誰がどのタイミングでブレーキハンドルを曲げたか、っちゅうことやな。

ま、それはA達が調べるんやろ？」

試すように上目遣いで有栖川を見つめる横山。

有栖川は口角を上げ頷いた。

「桐山の事件はうちに依頼が来て請け負ってます。遠山の方は元々丸山さん達交通課が担当してたんですけど、捜査打ち切りになったので勝手に調べさせてもらってるんです。

横山先輩のお陰で少し前進出来たかもしれません」

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