SPEC 覇の回 (ページ23)

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覇の回23 ページ23

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「望くんから見てその日のお兄さんの行動に不審な点はなかった？」

「いえ、特には…」

「そっか、」

ここにくる前に1通り捜査資料に目を通した丸山だが、そこに書かれたことと桐山望の証言に食い違いはなかった。

「ご両親は？」

「父は学会で京都に。母は講義に行ってます」

医者の父親に大学教授の母親。

家を開けることも珍しくないようだ。

「謎の不審死。それじゃあ、捜査一課も病死で片付けたくなりますよね」

桐山の自宅を出た後、ため息とともに丸山はそう言った。

ん～と伸びをする丸山を置いて、有栖川はスタスタと先を歩く。

「あ！ちょっと、待って下さいよ！」

「事件当日、弟は学校、父親は病院、母親は大学にいた。勿論全員のアリバイの裏が取れてる。

全員少し時間を作ることも勿論可能ですが、一旦帰宅し彼を殺しまた戻るというのは物理的に不可能です」

腕を組み、右手を顎に添える丸山は唸った。

「つまり、家族には殺せないってことですか？」

「あくまでそれは"物理的に"不可能なだけで、SPECを使えば可能、もしくは共犯者がいれば話は別です。

しかし他に気になることがあるので、寄り道してもいいですか？」

「はい、大丈夫です」

親指を立てグッドのポーズを取った丸山。

そんな丸山を一瞥し、有栖川は目的地に足を勧めた。

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