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覇の回21 ページ21
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「………許さない、」
「え？」
「いえ、なんでもないです」
思いを振り払うように頭を振り、有栖川は立ち止まった。
「ここですね。桐山の自宅 」
「見るからに普通の一軒家ですね」
都心から少し離れたところにある桐山の自宅は極々普通の二階建ての戸建てだ。
小さな庭には色とりどりの花が咲いていて、まるで2人を出迎えているようだった。
「警視庁の丸山です。お話を伺いたいのですが、どなたかいらっしゃいますか？」
インターフォンを鳴らした丸山がそう言うと、直ぐに玄関のドアが開いた。
中から顔を覗かせたのは明るく髪を染めた高校生くらいの男の子で、こちらを警戒するようにじっと見つめている。
「警視庁公安部公安第5課未詳事件特別対策係の丸山と、」
「有栖川です」
「お兄さんのことについて少しお話を伺ってもいいかな？」
警戒心を解すように柔らかい笑みを浮かべる丸山。
一方の男子高校生、桐山望は睨むように黙り込んだまま小さくうなづいた。
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作者名：ゆう☆
| 作成日時：2016年2月18日 3時
