SPEC 覇の回 (ページ13)

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覇の回13 ページ13

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「念動力…… 」

そう小さく呟いた有栖川。

丸山は小さく首を傾げた。

「念動力？」

「ハンドルブレーキが尋常ではない程に曲がっている。これは人の力では有り得ないし、事故の衝撃にしては器用に曲がっている。

考えられるのは一つだけ。誰かが意図的に"何か"を使ってねじ曲げた」

「その"何か"は、SPECってことですか？」

丸山の質問に有栖川は大きくうなづいた。

「でも、なんで…」

「事故に見せかけて殺すため、だよね？アリスちゃん」

「恐らくそうだと思います。犯人は被害者に何か強い恨みがある人物か、はたまた何か別の計画があるのか…」

「別の、計画…？」

意味深な言葉を残した有栖川に丸山の声は届かなかった。

唇に手を当て、パソコンの画面を凝視している。

「彼らの仕業じゃないよ」

そっと沈黙を破るように口を開いたのは大野だった。

「彼らは念動力のSPECを持っていない」

「分かってます。でもあいつらの仲間に念動力のSPECを持ったスペックホルダーが居るかもしれません」

この事故はもっと調べるべきだ、と有栖川は確信した。

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