覇の回12 ページ12
．
「……SPEC？」
「サバン症候群という言葉を聞いたことがありますか？サバン症候群の患者は沢山の物の数を瞬時に数えることが出来たり、難しい数式をスラスラと解くことが出来たり、尋常ではない記憶力を持っていたり、という研究結果が出ています。
SPECも似たようなものではないか、というのが私個人の考えです。普通の人間が使っていない脳の残り90%を使えることが出来る人間は人類の常識を覆す超人的な能力を得る」
スーツのポケットに手を突っ込み、丸山を見る有栖川。
一方丸山は初めて聞く言葉を飲み込むのに必死だ。
「でもそれは、仮設ですよね？」
「ここでは、ね」
「………？」
「アリスちゃんは見たことあるんだよ。目の前で人間が人間ではない行動をする瞬間を」
先程まで黙っていた大野が丸山を諭すように言う。
「交通部に居たら知ることが出来ないことも未詳では知ることが出来るって言ったでしょ？
それはうちが
「じゃあ、あの事故も……」
「SPECを持つ人間の仕業、と考えるのが妥当でしょうね。
因みに上の人間、あぁ警察上層部の人間はSPECの存在を認めたくないからその存在をひた隠しにしてるんですよ。
だからSPEC関連の事件･事故は全てここに回されるし、捜査一課等が取り扱ってるものでもSPEC関連のものは直ぐに捜査打ち切りになるんです 」
有栖川の話を聞いて妙に納得した丸山。
そんな2人を見て大野は満足そうに微笑んだ。
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作者名：ゆう☆
| 作成日時：2016年2月18日 3時
