ヘリクリサム４〜森田美勇人〜

160. 阿部顕嵐side ページ10

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阿部顕嵐side







7人でご飯へ行って帰宅後、ながつから電話が来た。




顕嵐「もしもし、どした？」


長妻「もしもーし、ごめんね、もう寝てるかと思った！」


顕嵐「いやさっき帰ってきたのに寝るの早すぎだろ笑」


長妻「そっか笑笑」






いまご飯を食べて帰ってきたところなのに電話してくるなんて

何かよっぽどのことがあったに決まってる。



…薄々、勘づくけど。






顕嵐「どした？」


長妻「んー、あのー、みゅっさんと…Aのことなんだけどさ」






ほら。やっぱりね。






顕嵐「うん」






あえて、わかってないフリするけど。




どうにかしたいんでしょ？あの２人のこと。




わかるよ。





長妻「…ダメなのかなぁ、２人が自由にできる日が来ることは」



長妻「ダメなことなのかな…」






顕嵐「ダメなんかじゃないよ」


長妻「俺らができること、ないかな」



顕嵐「……できること、ね」







正直、俺らができることは限られていて。



何もできない、が正解に等しいくらいで。






でも、俺らはいつも荒波に飲まれ続けてきたから。


色んな道があるはずなんだ。






顕嵐「…俺ら2人じゃ、難しいかも。

謙ちゃんに相談するべきじゃないかな」






わかんないけど、謙ちゃんなら

何かいい方法を見つけてくれそうで。




結局、頼っちゃうけどさ。






長妻「…安井くんね……」





でも、珍しく少し渋るながつがいたから驚いた。





顕嵐「…謙ちゃんには言いたくないの？」



長妻「そういうわけじゃないよ？

絶対に力になってくれるし。」





長妻「…だけど、…色々と、安井くんの気持ちも…

あるだろうから……」






あぁ。そういうこと。






ながつ、隠してるつもりかもしれないけど

めちゃくちゃネタバラシしたようなもんだぞそれ。







顕嵐「…よくわかんないけど、まぁ、

ちょっと相談してみるのもアリなんじゃない？」





気づいてないフリするけどね。俺は。






そしてこの後、ながつが謙ちゃんに連絡をいれて

今度、３人でサウナからご飯へ行くことになった。

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