ヘリクリサム４〜森田美勇人〜

176. 安井謙太郎side ページ26

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安井謙太郎side


　



その日の夜、美勇人に電話をかけた。



１コールですぐに出た美勇人は、

ずっと気になってたんだろう。






美勇人「もしもし」


安井「もしもし、美勇人。今帰ってきた」


美勇人「ん。おかえり」


安井「…気持ち、伝えてきた。」







そう言うと、美勇人は「ん」と小さく返事をする。







安井「ありがとう。伝えさせてくれて。

おかげでなんかスッキリした。ほんとありがとう」




美勇人「ううん。お礼を言うのは俺の方だよ。

ずっと、ずっとやすのそばにいたはずなのに

大事なこと、気づいてなくてごめん。」





美勇人「…ずっと、辛い思いさせてたよな。

俺、何も気づかなかった。

ほんと、ごめん。」







何も悪いことなんてしてないのに

素直に謝る美勇人は、

俺の大好きなまっすぐで熱い美勇人で。





こういうところが、Aも好きなんだろうなって

男の俺でも美勇人の良さがわかる。




俺はどっちかっていうとひねくれ者だからさ。




この真っ直ぐで素直な美勇人だからこそ

安心してAを任せられるんだ。






安井「ううん。美勇人とAには世界で一番

幸せになってくれなきゃ困る！」






安井「だから…」






安井「明日、頼んだよ。」









俺のこのある意味プレッシャーをかけるような言葉に





「…任せて、」




と返してきた美勇人はとても力強くて頼もしくて。





明日、２人がステージの真ん中で幸せそうに笑ってる情景が

想像できて、考えるだけでも嬉しくなった。

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