ぺんぺん草３【安井謙太郎】

108. 阿部顕嵐side ページ8

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安井「自分でも呆れますが、10年以上はこの気持ちを抱いていたと思います。

当然、その間、それをAに打ち明けることもありませんでしたが。

あの頃、苦しんでいたAが、血の滲むような努力をして、認めてもらえるようになって、同じメンバーになって。

そこからまた、色々あって…。

騒がれていた時期は、距離が近かったからかと反省し、少し距離を置くことを決めました。

付き合ってもないのに、距離を置くっていう矛盾が生じてましたが、とにかく、自分を見つめ直しました。



そんな時に……あの事件が起きました。




Aが、危険な目に合いそうになりました。

あの時、自分は、Aを守るためなら死んでもいいと、そう思いました。

でも、意識が遠のく中、Aに会えなくなるのかと思うと、たまらなく悔しくなり、また会いたいと強く願いながら気を失った記憶があります。」







安井「病室で目を開けて、Aがいました。



この命は永遠では無いのだと実感した後、目の前にAがいた時、10年以上、抑え続けてきた気持ちが、溢れていました。

そしてメンバーやスタッフが温かい言葉をかけてくれて、背中を押してくれて。

その結果。今回の決断に至りました。

これから、付き合う付き合わないで仕事のスタンツを変えるつもりはないのですが、嘘偽りなくみなさんに伝えたいと思い、今回は突然生配信という形で、勝手ながらこのような報告をさせていただきました。

時間をとっていただき、ありがとうございました。

これからもこんな僕たちですが、応援していただけると嬉しいです。

えー、Aからも、挨拶させてください。」







今までの経緯を簡潔に説明した安井くんは、

Aにバトンパスをする。




不安になった俺はAの顔を見てみたけど、

見た瞬間に、不安は消え去った。






「こんばんは。(人1)Aです。」






その顔が、あまりにも堂々としていたから。

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