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そう思いながら後ろ姿を見ていると
安井くんがゆっくりと振り返った。
目が合い、
全ての時間が止まったような感覚に陥る
安井「…俺らが、エリとレイの続きを
つくればいい」
そう言うと安井くんは立ち上がり
私の座るソファの隣に腰掛けた。
私は何も声も出なくて。
安井「今から、雨のち虹ごっこしようよ」
その目に吸い込まれる。
安井「……エリ。」
そんな愛おしい目で見ないでほしい。
安井「……エリ」
…お願い、やめて……
安井「……好きだよ」
気づけば安井くんの匂いでいっぱい。
強く、抱きしめられていた。
「……やめてよ、っ」
叶ってるはずなのに叶わないこの気持ちが
苦しくて苦しくて
鼻の奥がツーンと痛くなって
それと同時に込み上げる涙
「…やめたほうが、いいよ、こんなのっ」
安井「……大丈夫。だって俺は今レイで
Aはエリだから。何の問題もないでしょ?」
こんなの、絶対ダメだけどさ。
でもさ。
今日だけは、神様。
許してください。
安井「……好きだよ」
「……うん、私も…っ、好き」
一瞬だけ、体が離れ、
ほんの一瞬だけ、唇が重なった。
そしてまた、強く体を引き寄せられる。
安井「………マジで、好き…っ」
安井くんの肩が小さく震えていたから。
今は、顔を見るのはやめておこう。
ただ、この幸せな温もりを感じながら。
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barumi(プロフ) - りんりんさん» そう言っていただけて嬉しいです( ; ; )ありがとうございます! (2021年3月14日 23時) (レス) id: f7d03e8b65 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 更新が待ちきれず毎日みにきてしまいます。応援してます! (2021年3月10日 20時) (レス) id: 5bcb1eb17e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:barumi | 作成日時:2021年2月28日 23時