ぺんぺん草【安井謙太郎】

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Aside






菅田くんとだいぶ仲良くなって

安井くんもいるし撮影も本当に楽しくて



でも、最近感じてること




それは




キスシーンへのモヤモヤした気持ち





私にとってのファーストキスが作品でのもので

みんなに見られるものになるんだという不安




そして






それをメンバーに見られる
　



いや




安井くんに見られるんだという心苦しさ






安井くんに見られることがなんだか本当に嫌で


でも、そんなことを思っていても仕方ないし


切り替えようと思って必死に





菅田くんと仲良くなるに徹した





いよいよ明日だという前日の夜






車で送ってもらっている時







安井「明日さ、緊張するでしょ」







と言われ、戸惑う。



平然と、車を運転しながら

ストレートにそんな言葉をかけてくる安井くんには

私の今のこの気持ちなんか、わからないんだろう。







「うん。でも、菅田くんと仲良くなったから

まだ、最初の時よりはマシかも」






これは、私の″強がり″だった。




そう、思い込みたいから。








安井「いや、そういう問題？」








本音は、安井くんに見られるのが


なんだか…だなんて、言えないでしょ







「…んー」








なんでこう思うのかが不思議だし

それでも心は苦しんでるし




どうしたらいいかわからないし

どうしようもないし




無性に泣きそうになって





顔を見られないように反対の窓を向いた







「ありがとうね」







家に着いてすぐに出ようとすると







安井「あのさ」







と呼び止められ、腕を掴まれた。




心臓がわかりやすく、ドクンと高鳴る。





それに加え、何を考えてるのか、

右手でボタンを押して音楽も止めるから

車内が沈黙になり、思わず思考が停止する。





やめてよ、ねえ。





おねがい。私の心がもっと苦しくなるからさ。

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