春の線香花火 ２

59. 平野紫耀side ページ9

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平野紫耀side




ーPrince BAR





神宮寺「はいおまたせ」



「ありがとう」



神宮寺「紫耀がついに大阪か。

もうこっちには何の未練もない？」



平野「まぁ本当は何の未練も残さず

行けるつもりだったんだけどさ」



神宮寺「…あぁ、Aのことか」



平野「え？」



神宮寺「俺、勘だけはいいんだよ。」





ずっと隠してきたAへの想いは


神にはバレていたのだと少し驚く。





神宮寺「いやでもまさか俺も、Aと廉が

ああなるとは思わなかったわ」





神がそう言ってチラッと俺を見た





俺も思わなかったよ


　
あんなに８年間、俺の隣でひたすら

廉に想いを馳せていたAが



廉からの告白を断る日が来るなんて





きっと、あの大阪に来た日




あの日にAの中で

気持ちが固まったのだと思う

　


俺のところに来た時の表情と

地元へ帰る時の表情は

あからさまに違ったから





神宮寺「それに、まさかAが

東京に行くなんて言うとも思わなかったしな」





廉とのことがあった次の日。





Aは、東京に引っ越すことを決め


誰がどう引き止めてもその気持ちが


変わることはなく、勝手に家も決めていた




きっと、廉が隣にいる空間も耐えられないし

心機一転、何もかも一から始めたいのだと思う



それは俺が大阪に引っ越す理由と

あまりにも酷似していて

痛いくらいにその気持ちが俺には理解できた

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