春の線香花火 ２

55. 平野紫耀side ページ5

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平野紫耀side





大阪に一日出張へ行き、夕方過ぎに携帯を見ると




◁大阪向かってる！




とだけきてたAからのメッセージ。





嘘だろと驚きながらも、俺に会いに

わざわざ大阪まで来てくれることが

嬉しいことでもあった




それが、たとえ廉の愚痴であったとしても。




レストランで浮かない顔のAとご飯を食べ

話をしていくうちに少しずつ顔色が良くなるAに

少しホッとすると同時に



なんだか表情が大阪に来た時と帰る時で

随分異なりすぎることにも少し違和感を覚えた





一緒に地元へ帰った後も

ずっとずっと俺の頭からAが離れなくて




そんな中、ついに大阪での仕事の採用が決まった




それは、この街との別れが迫っていることでもあり

Aとの別れが迫っていることでもあった




Aから吹っ切るために大阪へ行く予定だったけど

どこかモヤモヤが残ってしまう






平野「さっき電話あって正式に採用決まった」



美桜「え！うそ！！よかったね！」





美桜ちゃんに報告しながらも

胸のざわめきが止まらなくて





美桜「向こうにすぐ引っ越す？」




平野「んー、うん、そうだね」




美桜「じゃあ私も行っちゃおうかな！

私も仕事東京だし、いっそのこと！」




平野「……んー」




美桜「…冗談だよ、」





大阪へ行くことが決まったんだから

美桜ちゃんとも別れて

新しい自分に生まれ変わろうと

勝手ながら心に決めていた

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