春の線香花火 ２

80. 永瀬廉side ページ30

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(現在)




永瀬廉side





「先輩の客席の写真で

俺らの未来ってどういうこと？」



永瀬「いや、先輩みたいにファンがいっぱいついて

自分たちだけのライブをするのを

俺らの未来にしたいねってこと」



「あーなるほどね笑」



永瀬「なんで説明しないとわからんかな」



「そんな画像よく送ったね」



永瀬「それで明日からも仕事行く勇気が

出たんやってさ。俺すごない？」



「なんか力抜けたんだろうね」
　




俺らの未来とか、表紙俺らでいっぱいにしよとか

全部自分でそんなこと言っといて

勝手に辞めた俺ってほんま情けないな





「ま、廉らしいよね。

廉の才能ってそういうとこだね。

そんな写真送って励まそうとする人なんて

なかなかいないよ。」






Aの言葉に笑顔が溢れた





「顕嵐くんがその写真に救われた気持ち

なんかわかる気がする」





モヤモヤして電話したはずなのに

全てを話し終わった頃には自分の中で

整理もついたのか、清々しかった





電話を切った後、届いたメッセージ。

　

それはさっき通話をしていたAからで。





◁永瀬廉の未来

◁少年よ、大志を抱け


　


そのメッセージと共に添付されていた画像には

人形を前に立たせ、その人形を見るように

たくさん並べられた人形やフィギュアが写っていた



前にいる人形には懐中電灯で光が当てられてる






永瀬「…ステージかい笑」





Aお手製のステージは歪だけど

とっても輝いて見えた。






廉は小さくなってなんかない▷




その言葉と共に俺は１０年近く前になる写真を漁り

まだ子どもの顔をした自分がマイクも持たずに

ステージの上で踊ってる画像を送った




まだ青臭いこの頃の自分の方が

よっぽど輝いている



俺はまだあのスポットライトを浴びれるのかな

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