春の線香花火 ２

78. 永瀬廉side ページ28

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永瀬廉side






夜、家に帰ってから気づけば電話をかけていた





「で？顕嵐くんになんて言われたの？」



永瀬「ちょっと痛いこと」






それは、Aだった


本当に無意識に気づけば電話をかけていた






「この年齢になって厳しいこと言ってくれる人って

大切だと思うよ」



永瀬「でも俺に期待してくれてることが

申し訳ないんよな」



「期待？」



永瀬「顕嵐、俺が送った写真で

人生変わったとか言ってくれちゃって。

…同じ場所に、立ってたはずやったのになー」



「ま。アイドルにはアイドルの良さがあると思うけど

カメラマンにはカメラマンの良さもあったでしょ？」



永瀬「まぁな」







カメラマンになったことで分かったこともある。


撮る側の苦労や工夫。



今まで撮ってもらってた俺にとって


それを学べたことは大きかった






「ってかさ、人生を変えた写真ってなんなの？」



永瀬「客席の写真」



「客席の写真？」



永瀬「顕嵐がまだ始めたばっかりのときに

ステージから出たときに全然歓声なくてな？

顕嵐、かなりショック受けてもうてさ」






それはまだ駆け出しのときのことだったー.

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