春の線香花火 ２

53. 永瀬廉side ページ3

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BAR帰り、そのまま岸くんが家に来ていた





岸「前から思ってたんだけどさ

潔癖症治った！？このまま上がらせてくれるじゃん」



永瀬「あの頃よりは落ち着いたな」



岸「だよね！？足洗って着替えてからじゃないと

家入れてくれなかったもんね？？」



永瀬「うるさ、それがいいならそうするけど」



岸「なんでだよ！」




部屋に入ってからも壁が薄かったら

マンションみんなに聞こえてるんちゃうかってくらい

うるさい俺ら





岸「…てかさ、もう桜さんのことは

本当にいいの？」




さっきまでうるさかった岸くんが

ソファに座るなり突然真面目な顔で聞いてくる





永瀬「なに言ってんの」



岸「だってせっかく会えたんだろ？

向こうに結婚するって言われて

ああそうですかって納得するとは思えない」



永瀬「結婚おめでとうの一言だけ言って終わりやわ」



岸「ほんと？」



永瀬「嘘ついてどうすんねん」



岸「じゃあもし桜さんに、やり直したいって

言われてたらどうしてたんだよ」




どうしてたんやろな…。


正直、それはわからないことだった。




永瀬「まぁ最終試験みたいなもんやったんちゃう？

桜に対しての」



岸「最終試験？」



永瀬「これで桜への感情が

抑えられないようだったら不合格だったってこと」



岸「３年も待ち続けた女への感情を

我慢できるほど廉成長してたの？」



永瀬「おまえ、Aのこと考えてみろや。

こんな俺のこと８年も待ってくれてた女やぞ

ここで振り出し戻ったら男ちゃうやん」




思わず出た言葉に、岸くんが固まり


言った俺も臭すぎるなと固まった




岸「あのさ、この部屋に２人しかいないのに

かっこいいこと言うのやめてくんない！？」




絶叫する岸くんに、ほんまやな と

ゲラゲラ笑い合う




永瀬「でも桜に会って良かったわ

この先ずっと有耶無耶な状態でいるより

スッキリしたし」



岸「じゃああとは、廉がAをロック画面に

したくなるような最高の１枚を撮るだけだね」



永瀬「明日にでも撮ってやるわ」



岸「よし、決めた！

廉がロック画面にするまで

桜さんのこと吹っ切れたと認めない！」



永瀬「だるいな〜笑」






岸くんと飲んだ夜は



必ず明日、Aと付き合おうと



決意を固める時間となった

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