37. 平野紫耀side ページ37
.
廉は不器用で。
優しいやつで。
そんなのずっと前から知ってる。
俺が一番よく知ってる。
だから、そんな言い方しかできないんだろうけど。
表情ひとつ見たらわかるんだよ。
なんとも言えない今のお前の気持ちが。
どうしたらいいのか分からないお前の気持ちが。
だから。
俺が、背中、押してやるよ。
平野「…俺が思ってるより。Aは、お前のことが好きらしいわ」
永瀬「………」
悔しいけど。
平野「悔しいけど、負けました」
お前といるときのAの嬉しそうな顔が、好きだから。
永瀬「…」
平野「なに泣きそうな顔してんだよ笑」
Aといるときの廉の幸せそうな顔が、好きだから。
平野「…なぁ、廉」
永瀬「…」
さっきの強気な発言なんだったんだよ、って言いたいくらい。
情けないくらいに表情を歪ませて涙目になっている廉に、俺も泣きそうになる。
平野「……がんばれよ。」
そう言って背中を叩いて俺はその場を去る。
去り際、後ろから聞こえた鼻をすする声に胸が苦しくなった。
こんな偉そうなこと言ってるけど、廉がAのこと好きなの知ってて、Aが廉のこと好きなの知ってて、Aが弱ってるだけだということも知ってて、不覚にも嬉しいと感じて付き合ったのは俺。
廉に苦しい思いさせてしまったのは間違いなく俺だから。
目尻から溢れ出てくる涙を指で拭って、廊下を歩きながら一人小さな声で、 ″ごめんな″ って呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1858人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いわうさぎ(プロフ) - はじめまして。とても楽しかったです。きゅんきゅんしました。リクエストで海人くんのお話をよろしければ書いて頂きたいです。 また、新しい作品を楽しみにしています。 (2020年2月1日 20時) (
レス) id: 61e72c48b6 (このIDを非表示/違反報告)
renchka(プロフ) - はじめまして！すごく面白くて、引き込まれる話だと思っていたらbarumiさんのお話だったんですね＾＾secret storyが大好きで何度も読み返したくらいなので、やはりbarumiさんの書く話はすっごく好きです！これからも頑張ってください！ (2020年1月29日 21時) (レス) id: 738f8e5133 (このIDを非表示/違反報告)
barumi(プロフ) - うささん» はじめまして！そんなこと言っていただけて嬉しいです（ ; ; ）これからも見に来てくださると嬉しいです！ (2020年1月23日 21時) (レス) id: a3ada5e282 (このIDを非表示/違反報告)
barumi(プロフ) - ぷーちゃんさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです（ ; ; ）ありがとうございます…！また見にきてください！ (2020年1月23日 21時) (レス) id: a3ada5e282 (このIDを非表示/違反報告)
barumi(プロフ) - ありすさん» ありがとうございます…！驚きの展開で申し訳ありません笑 もう少し小説にお付き合いくださいね(^^) (2020年1月23日 21時) (レス) id: a3ada5e282 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：barumi
| 作成日時：2020年1月19日 19時
