AFFECTION２［俺のスカート、どこ行った？] (ページ24)

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明智「だから、いらねえ。べつにお前らと仲良かったのも、そういう…フリだから…」

ちょっとだけ、ちょっとだけだけど、言葉が詰まった。

原田「わかった。じゃああんた、好きなだけ私を殴りなさい」

は？こいつ、何言ってんの…？

原田「私は絶対に殴り返さないから。私はあんたの父親と違って約束も守る。母親と違って嘘もつかない。あんたが裏切られた数だけ好きなだけ殴りなさい。で、私がもし気絶したら、その間に学校やめていいよ」

そんなこと、初めて言われた。

″かわいそうに″とか″すごいわね″とか、そういう他人事のような言葉は何度も何度もかけられてきたけど。

そんな言葉、かけられたこと、なかった。

原田「ほら。明智、どうしたの？殴りなさい。あんたがいま私を殴っても私あんたとあんたの父親が一緒だなんて言わないから。だって私がいいって言ってるんだもん」

殴っても、父親と一緒じゃ、ねえの？

俺のいままでぶつけられなかった悲しみや痛み、辛さ。

コイツに、ぶつけて、いいの？

ほんとかよ？

どうせ、どうせ本当は殴らねえとか思ってんだろ？？？？

そう思って、俺は勢いをつけると思いっきり原田を殴った。

原田「う…！！」

若林「のぶお！！」

原田「とめるな！！私は絶対に気絶しない。ちょっと星見えたけど…さぁ、明智。どーんと来い！いけんだろ？おい」

なんなんだよ。

どうしたら、なんで、どうして…

また思いっきり数発殴った。

しかし原田は呻きながらも起き上がる。

原田「…明智。まだ来れるだろ、おい…ああ？」

頭が混乱して、また、原田を殴っていた。

だけど、原田は本当に手を出してこなかった。

それが俺には、不思議で不思議で。

心が震えて、らしくもないのに、涙が出そうだった。