アイドル × 一般人 ★sho.hirano (ページ5)

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あなたside

次の日からいつも通りバイトに向かう。
昨日の余韻が抜けず、時折あの瞬間を思い出す。

私の店は、少し駅から離れていて路地に入った地下にある。
隠れた名店と言われていて、よく芸能人がお忍びなんかで来るような洒落たバーみたいな居酒屋だ。

普段は地下の店の中で働いているが、

今日は珍しくゴミ捨てを頼まれて地上で作業をしている。

『なにこれ…。凄い量…。』

どうやらしばらくゴミ捨てに行っていなかったようで、とてつもない量に唖然とする。

それでも始めなければ終わらないし、頑張るか！と気合いを入れたときだった。

？「あのっ！！！すみません！！」

誰かに声をかけられる。

『はい？』

ゆっくり振り向くと

そこに居たのは

「なあ！！

君、よくライブ来てくれてるやんな！！」

と、満面の笑みの平野紫耀だった。

『え？』

なにこれ。

なんで？紫耀くんがここにいるの？

なんで、私に話しかけてるの…？

「あ、ごめんな、そりゃ驚くよな。

初めまして…？笑平野紫耀です。」

私、夢見てるみたい…

『し、知ってます…。ずっと前から紫耀くんのこと応援してます…。』

「せやんな。そりゃ、知ってるよな…笑」

私が緊張しすぎて返事を返せずにいると、微妙な空気になる。

「 …ご、ごめんな。急に話しかけたりして。」

『いや、すみません、びっくりしちゃって… 』

「じゃぁ、俺行くね。またライブ来てな！」

と言って背を向け歩き始める紫耀。

どうしよう、伝えたいこと聞きたいことなんて山程あるのに、なんでこんな時に何も言えないんだろ。

紫耀くんが行っちゃう…！！！！

『ぁ、あの！！』

ん？ともう一度振り向く。

『紫耀くん、ありがとう！』

咄嗟に出た言葉がそれだった。

紫耀くんはなんのこと？とでも言うように、首をかしげた。

でも、すぐ笑顔になり、

「またな！！」

そう言って、去っていった。

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