アイドル × 一般人 ★sho.hirano (ページ2)

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1日に3公演、それを何日も連続でやるのは
中々キツイものがある。

それでも、俺らはデビューを夢見て
今を必死に頑張っているんだ。

今は恋とか…女の子にも興味が無い。

こんなに沢山をファンの人がいる。
期待に応えたい。

一回の公演はあっという間。

俺が好きなのは、とにかくファンの近くに行ける瞬間。

今回のステージはバルコニーまで行くと、後ろの人も近くて表情までしっかりわかる。

「きゃぁーーー！！！紫耀くん！！！」
「紫耀！こっちみてーーー！！！」

沢山の声援が素直に嬉しい。
笑顔でみんなに手を振る。

中にはペンライトに小さく、”センキューやって”と書いてくれてる子がいる。

センキュー！

って口パクでやってあげると

その子は飛び跳ねて喜んだ。

よく、紫耀は空気にファンサしてるなんて言われるけど
そうじゃないんだ。

ただ、ただファンのみんなの近くに行けることが本当に嬉しいんだ。

着席ブロックに目をやると

いつものあの子がいた。

昔から、ましてや初めてのライブから俺の名前の団扇をもってジーっとこっちを見る黒髪ロングの女の子。

俺はたまらず笑顔で手を振り、君にむけて指をさす。

「キャーーーーーーーー！！」

周りの子が叫ぶ。

肝心な君は、いつも顔を隠して、泣いてしまうよね。

他のファンサならここで視線を逸らす。

でも、君がもう一度こっちを見るって知ってるから少し待ってみる。

やっぱり、顔をあげる君。

驚いた表情で、控え目に手を振ってくれる。

「やっと見てくれた。笑」

俺は最後にもう一度手を振って、ステージに戻る。

ステージからは少し遠いけど、
君がまだ泣き止まなくて、隣の子に慰められてるのが見える。

……平野、泣かせちゃったかな…？？

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