看病 ページ10
.
大倉は、またうーんと唸ってその額には
汗が吹き出ている。
私はその汗を乾いたタオルで拭ってから
そのタオルをそのまま濡らして
固く絞ったそれを大倉の額に載せる。
冷たさに驚いたのかピクっと体が動いたが、
起きる気配はなく
苦しそうに眉間にシワを寄せている。
「大丈夫か?」
私はゆっくりと大倉の胸をさすった。
昔、体調を崩したときに、
よくヨコが私にやってくれていたことだ。
こうされると、心地好くなってよく眠れる。
しばらく同じことを繰り返していくと、
徐々に大倉の眉間のシワが消えていく。
落ち着いたのを確認してから、
私は洗面器の水を替えるついでに
新しいタオルを貰うために席を外した。
もう寝る準備を始めた村上さんを引き留めて
タオルと、薬やら飲み物やらを沢山受け取る。
「なんで、自分が…」
黙々と引き受けておいてそう呟きながら、
私はまた元の部屋に戻った。
.
64人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
有希。(プロフ) - ピエロさん» ありがとうございます!初コメント頂いて感激です。頑張ります! (2017年1月1日 16時) (レス) id: 26851cf6e5 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ - 今日はじめてみました。更新待ってます (2016年12月31日 17時) (レス) id: cb976b3c25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:有希。 | 作成日時:2016年12月19日 19時