ゆっくりと ページ36
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｢ほんなら、なんで辞めなかったん？｣
俺のその質問に、
ギロりとAと村上さんが睨む。
俺は、割と思ったことが
口から出てしまう性分らしい。
｢そ、そんな睨まなくても…｣
｢･･････。｣
｢でも、ほんまに嫌になってたら
ちゃっちゃと辞めてるはずやん、学校なんて。
なのに、まだ残っててくれたってことは
ひょっとしたら、
ほんまはちょっと学校好きやったんとちゃう？
未練があるから、手放せないってこと
ようある話やん？｣
つらつらと喋る俺を、
Aは黙ったまま見下ろしている。
｢…楽しかったよ。
こいつらなら、本当のこと話しても
みんな仲良くしてくれるとか
ガラでもないくせに期待してた。｣
Aがここに来たのは中学の時。
過酷な境遇で育ったAと、
それぞれの家庭環境はあっても
楽しくやってきた周りのクラスメイト…
そりゃあ彼らにとって
彼女の産まれた場所は
ドラマで見る怖い場所でしかない。
彼女から離れた彼らの気持ちはわからないでもない。
｢……A。学校、行こうや。｣
｢は…？｣
｢もしかしたら、Aはもう誰も
信じきれないかもしれへんけど。
世の中、そこまで辛いことばかりじゃないと
思うから、ゆっくり探そうや。
俺と、楽しいこといっぱい探そう？｣
｢･･･｣
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有希。(プロフ) - ピエロさん» ありがとうございます！初コメント頂いて感激です。頑張ります！ (2017年1月1日 16時) (
レス) id: 26851cf6e5 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ - 今日はじめてみました。更新待ってます (2016年12月31日 17時) (レス) id: cb976b3c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希。 | 作成日時：2016年12月19日 19時
