[∞]せんせい[緑]

騒動 ページ4

*Aside



｢姉やん！大変ですっ！｣


遠くから、マルの叫び声が聞こえる。

私は、修理中の車の下から出てきて
声のした方向に向かって声をかける。


｢こっち今手ぇ混んでんだよ！
厄介は今は無理！｣


そしてまた、車の下にもぐる。


｢いや、でもヤバイですって！｣


その声はバタバタと近づいてきて、
作業場にマルが現れる。


｢姉やーん！！｣

｢ちょ、触んなっ！｣


私を引き出そうと足を引っ張るマルを
私は蹴飛ばす。


｢リンチっぽいです。｣


ごちゃごちゃやっている中に、
落ち着いた小さい声が入ってくる。


｢…どこでだ。｣

｢そこの裏路地だそうです｣
｢俺らの縄張りやないですか！｣

｢･･････。｣


二人の説明を聞いて、
私はしぶしぶと作業を止めて出ていく。


｢誰がいる｣

｢いや、たいした族では無さそうです。
隣町の輩かと…｣


ヤスが淡々と続ける説明を背中に聞きながら
私たちは靴を履き替えて外に出た。


｢ヨコさんが、先に出てはります。｣

｢うん｣


だとしたら、もう仕事は片付いているはず。
そう算段をつけて、私は現場に向かった。


.

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