トラウマ ページ30
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そして、事件は起きた。
中学２年生の頃、
絡んできた高校生と喧嘩して
傷を作って帰ってきた日の夜だった。
｢なんやぁ！？その顔の傷は！｣
｢喧嘩で…｣
｢はあ？
自分、日頃から鍛えてるんとちゃうんかい
わしがいくら叩いて習わせたと思ってんねん｣
物心ついた時から空手の稽古を積んでいた私は
護身術はもちろん、
力は大人でも及ばない程になっていた。
｢それが顔に傷作るだあ？
何を甘ったれとるんじゃい！！｣
ガッシャーン！
思い切り肩を押されて、
大きいキャビネットに体全身をぶつける。
｢っ……｣
｢あなた…!?｣
その音を聞きつけた母親が
私たちの所へ駆け込んでくる。
そんなことを気づくよしもなく、
彼は私の胸ぐらをとっ捕まえて
腹に蹴りをいれてくる。
｢女やからって許されへんぞ！
ガキはてめぇ１人しか産めてないんやぞ！
何がなんでも跡継ぎはお前やねん
自覚あんのかゴルァ!!｣
連続して至る所に殴る蹴るをした後、
再び私を床に投げつける。
床に転がって咳き込みながら
顔を上げた瞬間、
興奮して目を真っ赤にした男が、
私にめがけて灰皿を大きく振りかぶっていた。
｢やめてくださいっ…！｣
ゴンっ、
ドサッ……
｢･･････｣
一瞬、何が起きたのか理解出来なかった。
灰皿が落ちてくる瞬間に思わず目を閉じて、
母親の高い声がして、
鈍い音がして、
身体の上に人の体が落ちてくる感触がして…
目を開くと、
私の上で母親が倒れていた。
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有希。(プロフ) - ピエロさん» ありがとうございます！初コメント頂いて感激です。頑張ります！ (2017年1月1日 16時) (
レス) id: 26851cf6e5 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ - 今日はじめてみました。更新待ってます (2016年12月31日 17時) (レス) id: cb976b3c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希。 | 作成日時：2016年12月19日 19時
