過去の話 ページ29
*Aside
変な顔をしている所を見られて、
大倉の部屋から飛び出したあと、
水を張り替えて部屋に戻る。
戸の前に立つと、
村上さんの話す声が聞こえてきた。
｢…先生には話したろ。｣
どういう経緯かは知らないが、
そう言って村上さんは私の過去の話をしはじめた。
− 5年前
｢やめてくださいっ…！｣
｢うるせえ！｣
｢あなた…！！｣
｢離せ！これは躾や！！
A！お前は何べん言うたら
言うことが聞けんねん！このアホんだら！｣
母の泣き叫ぶ声と、
男の怒声のあと、
私のみぞおちに鈍い痛みが襲いかかる。
当時まだ小学生だった私は、
物心ついた時から、躾はもっぱら暴力だった。
父、と呼ばれるヤクザの総長が
何をしても躾が足りないと言って。
頬を張るだけならまだしも、
その頃までには殴る蹴るは当たり前で
時には棒で殴られることもしばしばだった。
母は泣きながらその男にしがみついては
私に振り下ろされる手を抑えようとしていた。
私はその光景を
ただドラマでも見るような感覚で
ぼんやりといつも見ていた。
｢なんやぁ、その顔はぁ！｣
ぼんやりとしていると
またその表情が彼の感情を逆立てるらしく
容赦ない力で手が足が襲いかかってくる。
.
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有希。(プロフ) - ピエロさん» ありがとうございます！初コメント頂いて感激です。頑張ります！ (2017年1月1日 16時) (
レス) id: 26851cf6e5 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ - 今日はじめてみました。更新待ってます (2016年12月31日 17時) (レス) id: cb976b3c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希。 | 作成日時：2016年12月19日 19時
