どうして？ ページ27
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｢見んな。｣
Aは、そう言って咄嗟に
俺の顔を手のひらで塞ぐ。
その手は震えていて、
なんでそんな顔してるん？
なんで隠すん？
なんで弱いところ見せた？
Aのガードの硬さからは
想像出来ないぐらいに泣きそうな顔。
顔を覆うAの手首を優しく掴んで
持ち上げると
さっきの表情が消えた代わりに、
凄くやつれたような顔で俺を見下ろしている。
｢どうした？｣
｢どうもしてない｣
｢でも泣いて…｣
｢泣いてない、
どうもしてない、
お前には関係ない。｣
俺の声を遮って、
巻き上げるように突き放すA。
俺の手を振り払うと、
Aはタオルやら洗面器やらをひったくって、
パタパタと部屋から出ていってしまった。
Aの足音が消え、
部屋に静寂が訪れる。
俺はAの言動にしばらく思考を巡らせていた。
｢大倉、先生｣
名前を呼ばれて声のした方向を見ると、
Aの出ていった方から
男の人が顔をのぞき込ませていた。
確か…………村上さん、？
｢あ…すいません、｣
毎度お世話になっている人だと気づいて
ゆっくり体を起こそうとすると、
慌ててズカズカと入ってきて
俺の動きを制す。
｢かまへんて。
安静にしなさい｣
｢ありがとうございます、｣
｢ん。｣
村上さんはニカッと笑って、
さっきAが座っていた所に座った。
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有希。(プロフ) - ピエロさん» ありがとうございます！初コメント頂いて感激です。頑張ります！ (2017年1月1日 16時) (
レス) id: 26851cf6e5 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ - 今日はじめてみました。更新待ってます (2016年12月31日 17時) (レス) id: cb976b3c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希。 | 作成日時：2016年12月19日 19時
