決めた ページ24
.
私とすばるさんで、背の高い大倉を
担いでどうにかすばるさんの車に乗せると、
私たちはそのまま
村上モータースへ向かった。
「Aさん……!」
家に着いた途端、切羽詰まった表情で
ヨコが飛び出してくる。
「俺が居たから指1本触れさせてないで。」
すばるさんがそう言うと、
怒ったような、ホッとしたような
どっちとも取れる表情でヨコは私を見つめる。
「ごめん、心配かけて」
「いえ……」
私とヨコの間に気まずい空気が流れている間に
すばるさんが大倉を
村上さんとマルに引き渡している。
あろう事か大倉は移動中の車内で
爆睡してしまったのだ。
でも多分、リンチにあった精神的なストレスも
重なっているんだろう。
「なあ、ヨコ。
……私、決めたわ。」
「何を?」
「学校、行ってみようと思う。」
私がそう口を開くと、
ヨコは目を大きく見開いて驚く。
部屋の奥にいたらしいヤスも、
がちゃがちゃと物音を立てて驚き、私の方を見る。
「もう、私のせいであのヘタレが
ボロボロになってんのは見てられないから。」
「……わかりました。」
また、複雑な表情を浮かべたヨコは
頷いて、私の頭をクシャッと掴む。
「何かあったら、俺に言うて下さいね」
「…おう、頼りにしてる。」
私が返事をすると、ヨコはやっと優しい笑みを浮かべた。
.
64人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
有希。(プロフ) - ピエロさん» ありがとうございます!初コメント頂いて感激です。頑張ります! (2017年1月1日 16時) (レス) id: 26851cf6e5 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ - 今日はじめてみました。更新待ってます (2016年12月31日 17時) (レス) id: cb976b3c25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:有希。 | 作成日時:2016年12月19日 19時