おかしい ページ18
.
Tulll...
｢んっ…｣
気づくと眠りに落ちていた私は、
着信音に目を覚ます。
いつの間にかポケットから落ちたそれを
手探りでベッドの中から見つけ出し、
液晶画面を薄目で見る。
｢ヤス……？｣
珍しいヤツからの着信に
嫌な予感のした私は起き上がって出る。
｢どうした。｣
『Aさん、今あの人と一緒ですか？』
｢誰だよ。すばるさんと一緒だけど｣
『まだ来ないんです。
こんな時間やのに、あの人がまだ…』
何のことか理解できない私は、
時計に目を移す。
p.m. 5:58
６時前……
｢大倉のことか？｣
『はい。』
｢あー。｣
なんだ、あいつ諦めたのか。
やっぱり退学するって聞いたら
諦めるしかないよな。
｢ん、じゃあもう少し寝て帰るわ｣
『や、でもっ……おかしいと思いませんか？』
｢何が。｣
『あの人、取り合ってもらえないのに
毎日懲りずに来てたやないですか。
なのに、Aさんが退学する言うただけで
諦める人には思えなくて…
やから、何かあったんじゃないかって……』
緊迫した様子で話すヤスの声を聞きながら、
昨日の大倉が頭の中に浮かぶ。
『また明日な！』
腹が立つほどの笑顔で手を振ったあいつ。
｢…確かに｣
変だな。
｢ちょっと、探してくる。｣
『お、俺も、大倉さんのケータイを
ハックして追跡してみます。』
｢わかった。頼む｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
有希。(プロフ) - ピエロさん» ありがとうございます！初コメント頂いて感激です。頑張ります！ (2017年1月1日 16時) (
レス) id: 26851cf6e5 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ - 今日はじめてみました。更新待ってます (2016年12月31日 17時) (レス) id: cb976b3c25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：有希。 | 作成日時：2016年12月19日 19時
