家族とは。15 ページ15
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施設長がいなくなった今、私には隆兄しか家族がいない。
これ以上家族を失いたくない。
横を歩く隆兄を見上げると笑っていた。
…楽しそうで、よかった。
隆「 緊張するなぁ…仲良くできるかなぁ… 」
「 隆兄なら大丈夫だよ。絶対仲良くなれる。」
隆「 ほんま？よし、頑張ろう！」
この家の人と仲良くなるつもりはない。
信頼し合える関係になるつもりもない。
でも、普通に会話できるくらいにはなろう。
隆兄に心配をかけさせないために。
ドアを開けると裕さんと5人の男の人。
こっちを見て誰も目を離さない。
怖くなって隆兄の背中に隠れてしまった。
裕「 ごめんな、入りにくい空気やったよな。こっちおいで。」
裕さんに呼ばれて部屋に入ったのはいいけど
5人とも視線の先は私達。
裕「 今日からここに住むことになった隆平とA。仲良うしてやってな。」
隆「 …丸山隆平です！よろしくお願いします！」
「 丸山、Aです…お願いします… 」
最初は緊張してた隆兄も慣れたのかにこにこ笑いながらみんなと話し始めてる。
私はというと、やっぱり話しかけづらいのか誰も寄ってこない。
さっきまで裕さんが側にいたんだけどキッチンへ夕飯を作りにいった。
普通に会話どころか名前を聞くことさえできない。
…すごい居づらい。
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作者名：倉にゃん。 | 作成日時：2016年12月18日 12時
