笑顔2 (you) ページ4
次の日、僕は共同のパソコン室にいた。
謎の人が教えてくれた曲を調べるために…。
調べてみればいっぱい出てきたけど、日本人が歌ってる動画ばかりで僕にはよく分からなかった。
でも、調べ続けてると韓国人が歌ってる動画を見つける事ができた。
「テソン…、BIGBANG…」
名前は知ってるけど歌や顔は知らない。
「…聞いてみようかな」
ヘッドフォンをつけて、動画を再生させる。
日本語で歌ってる韓国人。
僕の知らない世界が広がっていた。
何故だろう、気づいたら僕は涙を流していた。
「(…なんで？)」
涙を流しながら何回も見てるとあることに気づいたんだ。
「(あれ？この人…、昨日の謎の人だ)」
歌声も一緒な気がするし、髪色は同じだし、何回見直しても同一人物にしか見えなかった。
「…なんだよ」
彼が芸能人だと分かった瞬間、何故か落胆してしまった。
もしかしたら、友達になれると思っていたのに…。
パソコンの電源を落として、病室に戻った。
あれから何度もパソコン室であの動画を見た。
見れば見るほど、自分が健康体じゃないことに愕然とするけど、それ以上もう1度会いたいと思っていた。
「…無理だろうけどね」
あれから2年の月日が経った。
僕は今だにBIGBANGの曲も顔も知らないけど、テソンとテソンが歌った日本語の曲の1曲だけ知ってる。
あの時、僕はテソンが病院に来てることを看護師さんの話を盗み聞きして知った。
いつもならしない我が儘を言って、あなたが僕に気づくようにしたんだよ？
「もう！何回も言わさないでよ！僕はお散歩に行きたいの！」
「だから、診察が終わってからって言ってるでしょ？」
「今すぐがいいの！」
「もう少しで診察始まるから、ね？」
「さっきからそればっか言って、全然じゃないか！」
「本当にあともう少しだから…」
「絶対嘘だ！」
って騒がなかったら彼は僕に気づかなったはずだ。
裏口の近くにある駐車場に車は止めてるだろうからその近くであなたの歌を歌ったんだ。
歌が大好きなあなたなら興味を示すでしょ？
でも、僕に声をかけることなく帰ってしまったからもう1度病院に来た時に話しかけたんだ(笑)
「ねぇ、この前聞いてたでしょ？」
あなたはとても驚いた顔をしてたし、僕のことを覚えてる素振りもなかったから少し寂しかったんだ。
「(…覚えてるのは僕だけか)」
覚えてなくたっていい。
今は、会える時は病院に来て日本語を教えてくれる約束だけあればいい。
「いつまでつづくかな…」
続く (更新停止中)
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作者名：迅 | 作成日時：2015年5月19日 19時
