もしも夏油傑の妹が人格形成に失敗したら (ページ6)

今日:16 hit、昨日:1 hit、合計:6,942 hit

交流ページ6

「お前こそ東京行くんだろ？寂しくねーの？」

『うんうん。大丈夫。意外と知り合い多いんだ。』

明るく笑う名前に虎杖も安心したように笑う。

「ならよかった。知らない環境で1人って結構辛いしな。」

『まーねー。』

名前は10年ほど前に虎杖の近所のアパートに越してきた。

亡くなった両親の代わりに働く兄はほとんど家におらず、心配した祖父の知り合いの大家さんが虎杖に仲良くしてやってくれと頼みに来たのだ。

それ以来互いの家でご飯を食べたりという関係を築いている。

虎杖は一度だけ彼女の兄を見たことがある。冷ややかな目と表情が印象的だった。

正直言って怖い人というイメージが強い。

「兄さんとは大丈夫なん？」

『大丈夫だって。どうせ忙しくて帰ってこないんだから。』

それにもうガキじゃないしね。

数ヶ月後、彼女は虎杖と祖父に軽い挨拶を済ませて東京へと旅立っていった。

相変わらず彼女は1人だった。