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ようこそ我が家へ ページ32
五条悟は都内のセーフティーハウスに名前を抱き抱えて到着した。
運転中の伊地知が終始青い顔をしていたのは気のせいだろう。
硝子に見せたところ翌朝には目を覚ますだろうと言うことだ。
領域で中和したとはいえ無量空処を受けてその程度で済んだのは流石ということか。
「よいしょっと。」
大きなベッドの上に彼女を丁寧に寝かせる。スヤスヤと眠る名前のあどけない表情に五条はふふっと笑った。
頭を撫でたり頬を突いたり。
彼女は夏油傑の妹だ。でも夏油傑ではない。彼女が呪詛師として生きなければならない理由なんてどこにもないのだ。
きっと彼女は起きれば大いに暴れるだろう。平気で人を殺し、騙し、それを笑う。
善悪の分別もつかぬ無邪気な悪魔。
かつて親友が自分にそれを教えてくれたように。今度は自分が手取り足取り教えてやるのだ。
「たしかに僕は君がアイツの妹だから気にかけていたかもしれない。でもそれはあくまできっかけ。
君自身を愛してくれる人がいるんだよってそれを君につたえること。
それこそが真の目的なんだから。」
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作者名：かむかむ | 作成日時：2021年5月6日 23時
