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だが、逃げれる所は何処にもいない。
ちらりとシュンを見る。シュンは殺人鬼の攻撃をひらりと躱している最中だった。殺人鬼は少し唇をかみしめ、悔しそうにしている。
シュンは、クラスで2番目に速い。それに加えて、動体視力だけだったら、クラス1位だろう。それに、陸上部では群を抜いて速い。
(アイツなら……倒せるかも……)
密かに期待をしながら、逃走経路を探す。
――その時、何かの割れる音がした。丁度後ろからだ。
振り向くと、頭を手で押さえているシュンと、割れた丸底フラスコを持っている殺人鬼。シュンの頭からは血が滴り落ちている。
「え……」
モモが驚愕していると、殺人鬼がシュンの胸を目掛けて、フラスコを振り下ろす。頭を怪我して気が逸れていたシュンはそれをもろに喰らってしまった。
「――ッ……ッぅ!」
シュンは、何度か身体を痙攣させた後、涙を一筋流し、動かなくなった。
「おいッ、此処からなら1人ずつでれるぞ!」
コウダイが部屋の隅を指す。其処に近くにいたカイト、タイキから順番に入っていった。
「ねぇ……シュンは……」
副学級委員長のハルが、シュンを見て言う。シュンは明らかに生き途絶えているだろう。
「早く、行くぞ……」
「でも、シュンが……」
「早く……お前も置いてかれたいんか」
……ハルは、シュンに好意を少なからず寄せていた。それは観察眼のないモモでも分かっていた。
「早く、お前の番だ……」
コウダイが無慈悲にもハルを押す。ハルは涙を零し、部屋の隅へと入っていった。
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霜月白雨@我々ハマったw(プロフ) - 谷崎小夜さん» コメント(´▽`)アリガト! あぁ、直さんとな……このままチャット続くんだったらしらたま掲示板いかへん? (2017年10月19日 19時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
谷崎小夜 - よくよく見ると、ダイキ→タイキになってるぞ。 更新ありがと!今回も良かったっす(´・ω・`) (2017年10月19日 19時) (レス) id: 0c4ef10cf1 (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨@我々ハマったw(プロフ) - 谷崎小夜さん» 君はあの……! 有り難う!! きみきゃわうぃーね☆ (2017年10月18日 7時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
谷崎小夜 - すごくいい!臨場感が伝わってきたよ。面白い! (2017年10月17日 23時) (レス) id: 0c4ef10cf1 (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨@地味に傷ついたw(プロフ) - 桃色レイカンさん» コメントありがとうございます! そう言って貰えると嬉しいです!! CSSですね! はい! 更新頑張ります!! コメントありがとうございました!! (2017年10月7日 14時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜月白雨 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月6日 19時