プチプチストーリーズ〜イブまで待てない！〜

#2　暗黒の聖夜vol.2　キュヒョン ページ2

「メール終わったの？」


…ソンミニヒョン…

ねえ

ヒョンはクリスマスどうするの？

「…内緒」


…え!?もう予定あるの

真子ヌナと!?

「…じゃね」


…ちょ

待った！

その様子じゃ

もう予定決まってるんだね!?


「…だってクリスマスイブは

ホテルのスカイラウンジだって混むからさあ」


…ああ

ヒョンの彼女はバーテンダーさんだからね

忙しくてデートできないってこと？


「…いや

もう部屋取ってあるから…

ソウルの夜景がばっちりの

スイートルーム…」


…何だって!?


「ラウンジの営業終わったら

スイートルームでシェーカー振ってくれるって…」


…何その大人過ぎるデート

どうやったらそんな風に出来るわけ!?


「…もうね

付き合い始めてすぐに

クリスマスイブにスイート押さえてって

彼女に頼んだの

ホテルの社員だから部屋の空き状況分かるしね」


…あっそ

大人だね…


「…だって僕たち大人だもん

大人のイブを二人で過ごしたいから…」


…くううううう

いいなあ大人って

ヒョンの彼女は大人っぽいもんなあ


「…んー

子どもっぽいところもあるよ？

僕の髪の色

元に戻したら

『金髪が良かった…』ってごねたりとか」


あーはいはい

いいなあ大人の恋は

俺とAなんか

くじ運はないわ

ジャンケンも弱いわ

不運の相乗効果で

イブに会えないかも…

どうしようヒョン…


「…相乗効果…？


…それはともかく

せっかく日本に行くのに会えないのか

Aちゃんもさみしいだろうに…」


…仕事なんだって

だだこねてもだめって言われちゃった

ああああ

どうにかなんないかな…


…付き合い始めたといっても

Aとはまだ二度しか会ってない

一度目はホテルのスカイラウンジで

初めて会った時

二度目はAが有給休暇取って来てくれて

一泊二日の弾丸ツアー

忙しくて

ほんの短時間のデートだったけど

それでも会えて嬉しいって言ってくれたAは

涙をぽろぽろこぼしながら

俺の手を握りしめた

ちっちゃく重ねた別れ際のキスで

俺たちずっと一緒にいようって

言わせるだけの魅力がある子なんだ


俺の心も体も

…この声も

お前にやるよ

だから

これからのお前の時間

俺に半分くれる…？


…もしイブに会えたら

Aを抱きしめてそう言おう


あいつのことだから

『…それじゃあ足りない』

とか言われそうだけどな…！

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