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ころんside
部屋に入るとその子は涙を浮かべていた。
自分でも気づかないうちに地を這うような低い声が出てきた。
こ「………………………さとみくん……???????」
じとーっとみつめるとさとみくんは目をそらしつつもこう言った。
さ「…弁解させろ。
俺も今きたとこだから俺は事情がわからん」
まぁ、嘘はついてなさそうだな…
僕はため息をついて、その子の方に歩き出す。
こ「…はぁ…。
まぁいいよ…」
たった一晩、いなかっただけでこんなにも寂しくなって、不安になって、
でもそのくらい大切になってしまったその子に語りかけた。
こ「ねぇ、聞いてくれる?」
小さく頷いたのを見て、自然と微笑みがこぼれた。
こ「僕ね、
女の人が苦手なんだ、本当は」
多分、無自覚だろう。
顔が言ってる。
嘘だろって。
まぁでも気にせず続けた。
こ「あのね、僕ね、お母さんがいたの。
でも周りの人に身分のせいでずっといじめられてて、ある日、タヒんじゃったんだ
…自 殺だった。
人を平気で騙して、傷つけて、それで快楽得るような人が、僕嫌いなんだ。
…僕はね、女の子、好き。
かわいいし、えっちすんのとかも正直好きだし、それになんかチヤホヤされんの好きなんだよねぇ」
ん?って顔してる。
うん、僕も何言ってるかよくわからん。
こ「だけど、
僕ね、騙されちゃったんだ。
色々あってね、お母さんのこと騙して傷つけてた人とおんなじようなことされた。
…あ、いや、殴られたりとかそういうのじゃないんだよ、ただね、
好きな人がいたの。
ほんとに大好きだった…
でもね、その子、本当は
僕の家柄とかそういうこと目当てだったんだ。
僕じゃなくて、家とかそういうことだけしか見えてなかった。
それからね、僕ほんとにそういうことをする人…特に女の子とかまじで嫌いになった」
さとみくんは、うつむいてる。
その子は、瞳を揺らしている…。
こ「その時に支えてくれたのがさとみくんだったんだ」
そういうと、ハッとした顔をする。
さとみくんが色々言い過ぎちゃったって言ってたけど、
多分釘をさすつもりで僕のこと話しちゃったんだろうな。
ここで納得するってことはそういうことだよね。
こ「だから、僕大切な人は作らないって決めてたんだよね」
でも。
たった数時間、いっしょにいただけだったのに、
こ「君のこと、大切になってたんだ。
君のことを信じたいって思ったんだ」
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きゆか(プロフ) - みおんさん» ありがとうございます...!!これからも頑張るのでぜひ読んでいただけたら嬉しいです😊✨ (2022年3月3日 22時) (レス) id: 14dc8c66e6 (このIDを非表示/違反報告)
みおん - すごく面白いお話で、めっちゃ読んでます! 更新頑張ってください (2022年3月3日 15時) (レス) @page31 id: 2018403e99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゆか | 作成日時:2021年9月20日 22時