夏祭り 其の六 ページ17
in輝
主「…空狐姐さんに会ってみる？」
恐る恐る、そんなありふれた表現があり得ないくらいしっくり来た。
それくらい探るように聞いてきた清瀬さん
普通、大事な役割を持つ怪異を祓い屋の前に引っ張り出すのか？
正直、馬鹿なのではとすら思う。
周りにいた妖狐達もギョッとして彼女を見る。
輝「…なんで？」
本当に訳が分からず、思わず素で返してしまう。
主「怪異が人に迷惑をかけるのは嫌だし、空狐姐さんが困っているなら助けてあげたいし…
源くんが困っているなら力になりたいな…と、」
は？
何それ…？
思わず顔に手を当てて、俯く
横で妖狐達が清瀬さんに猛反発しているのが耳に入ってくるけど、そんなことどうでもよかった。
源くんが困っているなら力になりたいな…と
頭の中で反芻する言葉
無意識に上がる自分の口角
あ〜、今、絶対に人に見せられない顔をしていることが分かる。
輝「清瀬さん」
主「はい！」
妖狐の反論にたじろいでいる清瀬さんに声を掛ける。
どうにかいつも通りの笑顔を作って、右手を彼女の肩に置いた。
輝「…お願いだから、僕以外の男にそんな可愛い事しないでね。」
主「……あ、」
目を合わせた彼女の顔には、確実に怯えの色が浮かぶ。
輝「…えッ」
流石に予想外だった。
困惑する。
今のどこに怯えられる要素があった？
果たして、いつも通りを装いながらも振り絞って言った一言は彼女の耳に届いていたのだろうか
微妙な空気になりかけたその時、
翠「空孤さまから念話〜
A、祓い屋の青年を連れて来いだって〜」
ずっと屋台飯を食べていた緑の飾りを付けた妖狐が喋った。
全員の目がその妖狐に向けられた。
翠「後、厨からAに緊急要請〜
そろそろ手が足りなくなるから早く帰ってきてって、
厨長の声、物凄〜く切羽詰まってるよ。」
そのままのんびりとした動きで妖狐は雑木林の奥へと消えた。
他の赤と青の妖狐も同様に奥へと消えていった。
あまりの展開に絶句する僕をよそに清瀬さんは僕の手をはらい、緑の妖狐がほぼ平らげてしまった屋台飯の残骸をビニール袋に入れるとこっちを向いた。
主「着いてきてください、お使いの孫として、この神社の主人の元へ案内します。」
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minimum(プロフ) - ここで終わるの、気になりすぎます。とっても面白かったです！こんな夢中になるような作品に出会えて嬉しいです。ありがとうございます。続き、期待してても良いですか！？ (4月4日 20時) (
レス) @page33 id: 2677f851e2 (このIDを非表示/違反報告)
じゃがりこって美味しいですよね - あばば…終わってしまった……しかも2年前だと？！？このコメが届いたら嬉しいのですがね…応援しております。まじで最高です🥹🥹🥹 (4月1日 23時) (レス) @page33 id: f91a4d9a84 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 夢小説だと思えないくらいの濃い話をありがとうございます！！輝くんと夢主さんが幸せになれますように！！ (2月26日 21時) (レス) @page33 id: f39889db93 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 最新待ってます‼︎ (8月2日 8時) (レス) @page33 id: 8da118ebe3 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 終わり⁉︎終わりなんですか⁉︎そんな、、、続きが気になりすぎる、、、、 (2023年1月3日 17時) (レス) @page33 id: 7981b3d9d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2020年6月7日 16時
