隣の人は、猫被り君でした。《キヨ。》 (ページ9)

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番外編 2 ( キヨ side ) ページ9

『こんなのキヨ君じゃない ‼ 』

____ 俺は、傷つけるような事を言ってしまった。
本当は心配して言ったんだ。もっと優しく言えば良かった。

こいつになら何故か言いたい事が言えるんだ。あいつらみたいに。

キ「そっか。A 知らねぇもんな。俺「演じてる」んだよ。」

_____ 言ってしまった。

猫被ってるってバレた。

案の定Aはキョトンとした顔をする。そして、え？と声を漏らした。

キ「だから、要するに .. 今の俺が本物の俺なの。」

『そんな .. そんなの違う .. ! キヨ君は明るくて、優しくて .. クラスの人気者だもん ..! 私がずっと憧れてたんだから ..! 』

俺が、そう言うと彼女はいてもいられなかったのか席から勢いよく立ち出した。

憧れ .. ？どういう事だ。

こいつ俺に憧れてたのかよ。

知らなかった。マジか ..

なぁ、もしかしてそれってさ ..

キ『へぇ .. 俺の事、好きだったの .. ？』

俺は思わずそう口にした。

だってそれ俺の事好きみたいじゃん。とんだ自意識過剰だけど。

俺はAに近付き向かい合うようにしゃがむ。

こう見ると本当 .. 可愛い .. って何思ってんだ俺。キモいわ。

『好きじゃないです .. 』

その顔で言われても説得力ねぇよ .. マジで好きなのかよ ..

いや、もしそうだったら俺 .. ってなんで俺嬉しそうなのわかんねぇ ‼

俺は、Aの髪を触る。

カッコつけたかっただけだけどな。

サラサラしてる .. 女の髪ってこういうのなんだな。ってうわ .. 俺本当にキモい。

キ「そんな顔で言われても .. ねぇ .. ？」

俺がそう言うと彼女はもっと顔を真っ赤にさせた。可愛い .. なぁ .. そんな顔されたら期待するだろ。やめろよ。

『そ、そんな事よりキヨ君 .. ! 帰った方がい、良いと思う .. ! 』

話を逸らされた。まぁいいか .. 俺も恥ずかしいし。ってかこいつ俺が帰ると思ってんのか。

まぁ、そうか。そう感じるか。

キ「俺は、お前のプリントを留めるのを手伝ってやるからサボったの。こんな量終わるわけないし。」

俺は基本的にこういうのしたくねぇけどお前の為なら全然頑張れんだよ。

何でかわかんねぇけど。

この気持ち、好きとかじゃねぇよな .. 恋とかじゃねぇよな。

もしそうだったら、ヤベェ ..

なんて思いながら俺は椅子を持ってきた。