君を拾った6 ページ6
私の髪と目が白いのも妖精さんのせい。
妖精さん曰く、この世界の動植物は色によってどの妖精の加護がかけられているのか分かるみたいだ。赤なら火の妖精、青なら水か氷の妖精、と。
私の場合、妖精さんが色をつけようとした時、大論争が起きたらしく、結論として色なくして誰のものでもなく、誰のものでもある状態にしよう、ということになったらしい。
この思考回路マアジで人外だよね、本当に。
まあ、それは置いておいて。今の話を聞けば分かるだろうが、白という色はこの世界においてあまり存在していない。
三毛猫。白地に黄色と黒の斑がある猫。この子ももしかしたら私と同じようになってこの白地を手に入れたのかもしれない。
目は確か赤だから火の妖精の加護がついてる。黄色は…雷の妖精か月の妖精それか光の妖精かな。黒は夜の妖精か闇の妖精。たぶん、今あげた妖精の加護を強く貰ってるんだろう。攻撃特化な……まあ、自然界で生きるならそれくらいがいいのではないだろうか。
「うみゃう」
「？眠いなら寝ていいよ。灯りを消そうか」
「みゃお」
「……今のは同意か…？」
「……」
「……まあ、消そうか。あんまり騒いじゃダメだよ」
ふ、と灯りの火を息で消して、残ったのは暖炉の明かりとパチパチと薪が燃える音だけ。
私がベッドに潜ると猫も同じようにタオルにモゾモゾと潜り込んだ。
今日は随分な拾いものをしてしまったなあ、……
あの猫は結局、飼い猫なのか野良なのか。飼い猫なら飼い主のところへ返してやりたいけど……別にどこかへ行きたい素振りがあるわけじゃないしな…怪我が治ったらまた違うのかもしれない。
一先ずは様子見だ。
「……ぷぅ、…ぷぅ、…」
「……超ぐっすりじゃん…」
この様子だとやっぱり飼い猫か？？
人がいてもすぐ寝るし……町に行くことがあったら猫を探してる人がいないか見てみようかな…
でも、白色がある動物は珍しいし飼ってるのは貴族とかそういう平民じゃない人な気がする……いや、上級階級の猫ならすぐに噂がまわってくるだろうし町で探す方向でいいだろう。
すぴすぴと眠る猫を少し眺めてから私もまた布団に潜る。
おやすみ、
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作者名：幻想郷の神になってみたい | 作成日時：2021年12月17日 2時
