今日、君を拾った (ページ16)

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君を拾った16 ページ16

猫は私の腕の中でフカフカの毛布に包まれている。…めっちゃ可愛い……青い鳥で良く流れてくるやつだあ…

『さて、子猫の傷も治ったし…作戦会議よ！』

「作戦会議って…どうするの？」

『んふふ、急かさなくてもいいのよ？…まず、私たちがなにをしたいのかを具体的にしましょうか』

「猫の仲間を集めるんじゃなくて？」

『それも含んでいるのだけれど…子猫の仲間といっても私たちが探し集める必要があるのは10人よ。他にも幹部はいるけれど…たまたま外国へ行っていたみたい。その全員は無事だと思うわ。彼らと接触するのは何人か集めてからか集め終わってからの方がいいでしょう』

なるほど？まあ、確かに優先すべきは危険が及んでいる可能性が高い方だよね。
マリィは幹部の中でも妖精たちにとって一番話がわかる人を最初に探すべきだと言った。妖精たちにとって、て…もしかして私と同じか？

『んふ、んふ…えぇ、そうよ。彼はとてもキレイな瞳だったから…私たち、とっても気に入ってしまったの。彼の傍には貴女のようにいつも妖精がいるわ。どうしても彼に自分の姿を見てほしいみたいで蝶の形をしているけれどね』

「うみゃん……」

「へえ……」

忘れがちだけどマリィも妖精なんだよな…思考が人外のそれなんだよ。
猫も少し呆れている気がする。この子は飼い猫だったからか感性は人間側なんだろう。
マリィも人間に信仰されているから人間の考え方とかなんとなく分かっていると思うけど…どこまでいっても妖精でしかないんだろうな。

『W国幹部エーミール・シュメッター。W国では国立大学の教授と、軍の中で軍略を練ったりしていたみたいね。彼は今I国の地下牢に投獄されているわ』

「いきなりI国の地下牢……」

『んふ、心配しなくてもI国の地下牢といってもその場所は森に隠されているところにあるわ。国民たちには猛獣が出るといって近寄らせていないみたいね。警備もいるみたいだけれど……森の中じゃあ、私たちに敵う訳ないって、そう思わない？』

くすくすとマリィが笑っている声が聞こえる。確かに人間が住む都市にも妖精は存在するけれど…森の中に住む妖精は数がしれない。
普通の人から見れば普通の森でも、私のような特殊な人間からしたら森はホームグラウンドにしかなりえない。