今日、君を拾った (ページ2)

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君を拾った2 ページ2

自分の家まで無事にコケることなくたどり着くことができた。私は片足で開けた扉を閉めて真っ暗な部屋に向かって叫ぶ。

「フラメ！フラメ！火をつけて！」

そう叫べば一瞬にして、小さな暖炉に火が着けられ、部屋は灯りをともされたいくつかのランプによって暖かく照らされた。

まず、どうすればいいんだろう。怪我をしているから治療から？とりあえず、布をもっと持ってきて、寒くないようにしないと、
あぁ、こんな時にスマートフォンなりパソコンなりがあればいいのに…！

私は台所から残っている水を持ってきて、ハンカチを濡らして猫の患部をできるだけ綺麗にした。薬はあるけど…人のものしかない。猫には使わない方がいいだろう。
それから包帯で患部を覆った。……これ、合ってるのかな、……本当、こういう時は文明の利器が懐かしく思える。

後は、…ご飯か！…猫ってなに食べるんだろう…？イメージは魚だけど…あとは猫まんま？…猫まんま食べれるかな、……でも、ミルクを飲むような猫の大きさでは無いと思う。それなりに大きいからきっとこの子は成猫だ。後、男の子かな、たぶん。足の付け根に膨らみがある。

私はとりあえず猫が食べられそうなものを作ることにした。私が知ってる美味しい日本米ではないけれど普通に美味しいジャバニカ米みたいな米がある。それと、…あ、アイゼスに凍らしてもらった魚がある。
……とりあえずお粥みたいにして、魚は細かくして入れてみようかな。調味料は入れない方がいいよね。

「……うん、素材本来の味。美味しい」

なるべく平たいお皿にお粥を盛って、猫の元へ。猫は未だに布にくるまっていた。……いきてる？
そっと、鼻に手を近づけると鼻息がしてることがわかった。ただ寝ているだけみたいだ。穏やかな顔をしている気がする。
ご飯、まだ持ってこなくてもよかったかな。まあ、起きてすぐご飯食べれた方がいいか。少し熱を取ったからたぶん、猫でも食べれる筈。

……バケツ、取りに行かなきゃ。

まだ外は雨が降っていたが私は構わずにドアを開けて静かに外へと歩いていった。