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いつもはコンビニのカウンター越しに会う清川さんと、こうして並んで帰路に着いている。なんだかとても不思議な状況に、私は隣を歩く清川さんを何度も見あげてしまう。
お客様と店員として顔を合わせている時から思っていたけれど、背が高くて手足もひょろっと長い。隣に並ぶとスタイルの良さが際立って見えた。
「佐藤さんの実家はどこなの？」
「名古屋の方です。冬休みは少しだけ帰省してて」
「その分シフト入れないとって思ってます」と気合を入れて呟く私に、清川さんは「ほんとすごいと思いま……思う」とまた敬語になりそうになりながら続けた。
清川さんはチェスターコートのポケットに手を突っ込んで、私の歩幅に合わせて歩いてくれている。そんな些細なことで優しさを感じる。
「え、いや、ただのバイト学生です」
「ほぼ毎日バイト来て、仕送り無しで奨学金借りてるんでしょ？奨学金借りてるから当たり前かもしれないけど、ちゃんと課題もこなして、一人暮らしして。すごいと思うわ」
「……」
私の生活が、「すごい」だなんて。
私は清川さんの横顔をじっと見つめる。
私の家庭の事情や今の生活状況を伝える度に、同級生は皆「大変だね」と大人は皆「えらいね」と、かなり憐れみを含んだような口振りで言う。それは、親からの仕送りが当たり前で、遊ぶ時間とお金も十分にあって、そんな人達から見たらきっと当たり前のことが無い私が可哀想だから。
そんな言葉を向けられるのはもう慣れたけれど、清川さんの言葉には少しの哀れみも同情も感じなかった。心の底から「すごい」と思ってくれているのが、彼の言い方やこれまでの人柄から伝わってくる。
「……実家が、飲食店やっていて」
「え、そうなの？」
「父も母も頑張って働いてくれていること知ってるし、妹もまだ中学生なんです」
「……」
「私も家族のために頑張りたいというか」
リナにもあまり話したことのなかった実家の話をポツポツとする。「だから、全然苦ではないんですけど」と続けた。清川さんの方を見上げると、彼もこちらを見ていて、パチンと視線が交わった。
「でも、すごいって言って貰えると嬉しいですね」
「……家族のこと大事なんだね」
「全然喧嘩もしますけどね」
私のゲンナリした言葉に清川さんはふふっと笑った。すごいと言えば、清川さんの方がすごい。と一瞬「キヨ」のことが頭をよぎったけれど口にするのは辞めた。
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parumu(プロフ) - かえる。さん» はじめまして！ありがとうございます(；＿；)♡これからも宜しくお願いします〜！！ (2022年8月28日 21時) (
レス) @page38 id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
かえる。(プロフ) - 初コメ失礼します!いつも楽しく読ませてもらっています！応援してます！ (2022年8月28日 21時) (レス) id: 06d9623eb5 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - いぬU・x・Uさん» はじめまして！そんなふうに言っていただけて嬉しいです(；；)まだ何も起きていない平和なお話なのですが、楽しく読んでいただけると嬉しいです！ぼちぼち頑張ります〜！ (2022年8月28日 21時) (レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
いぬU・x・U(プロフ) - 初コメ失礼します…！とっても素敵なお話をありがとうございます！！これからも主さんのペースで更新応援しております〜！！ (2022年8月27日 13時) (レス) @page37 id: b1951e364b (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - リーフィア推しの【タクト】さん» そうなのです、読んでいただきありがとうございます🥰 (2022年5月24日 20時) (レス) @page29 id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：parumu | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/parumu_u_62
作成日時：2022年4月23日 16時
