ネヴィはスパダリなのだ。 ページ4
桜色の束ねられた長い髪、蜂蜜のように甘い金色の瞳、薄桃色を帯びた白い肌、奏でる声は鈴のよう。とまぁ、挙げたらきりが無いほどに、カフェで出会った社員のネヴィロス・アデンさんは美しかった。
(何この人。美そのものか何か?)思わず黙りこくってしまったけれど、アデンさんは何も言わずに椅子を引いてくれた。
腐敗したネッ友が見たら倒れるだろう。その時の遺言は、間違い無く「スパダリ万歳」だ。
「ありがとうございます、アデンさん。」
「お礼なんていいのに…ですが、もし良ければ敬語を外して頂けると嬉しいです。私達は仲間なんですから。」
そう言ってふわりと微笑んだ彼。
同性なのに思わず頬を真っ赤に染めてしまう。
「じゃあ、改めてよろしく、ネヴィ。」
握手を交わして待ち合わせ用の席へ向かおうとしたとき、ユーフラテスさんが帰ってきた。
「お待たせしてすみません、手続きとガチャの準備が出来ました!」そう言う彼女はスーツではなく、何故かドレスを着ていた。
水の波紋の模様がついたドレスには、雫の形をした装飾やフリルが沢山ついている。
「そのドレスは…?」ガチャの間(仮名)へ向かいながらそう尋ねる。すると、彼女はくるりと回ると「これは私が神として働く時の正装で、全社員が正装を持っているんです。みなさん個性豊かでステキな正装を持っていますよ!」と話してくれた。
ピンと来なかったのでネヴィにきくと、人間がイメージする神様が変な布一枚なのと同じように、神様としての服装があるんだとか。
「ある程度上に雰囲気は決められていて、そこから好みのものを選べるんですよ。」
そう話すネヴィは何故か遠い目をしていたので、嫌な思い出でもあるんだろう。
(僕もフリフリは嫌だな…。)
フリフリのものや裸族のような格好でない事を祈りながら、僕はガチャの間へ進む。
続く
疾風迅雷って格好良いよね。→←いやさぁ、そこはもっとこう、違うのあるでしょ。
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作者名:酔風 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/lovernish-now/
作成日時:2021年5月30日 21時