みがわり □nisn ページ14
ここは、戦場。
自国と敵国の争う前線のなか、俺はただただ戦った。
銃撃戦の激しい中を、ただ武器を構えて人を殺した。
これが終わったら、愛しい妻のもとへ帰れるんだと。
正式に結婚はしていないが、戦争が始まらなきゃ、俺はプロポーズをするつもりだった。
俺は死ぬわけにはいかないんだ。
最愛のAが、故郷で俺を待ってる。
なのに、
体が、痛くて、動かない。
耐えがたい激痛に襲われて、俺はその場でうずくまる。
痛い。下腹部を弾丸で貫かれた。
3発だろうか。血が溢れて止まらない。
頭がガンガンするように熱くなって、意識が朦朧としてくる。
銃撃戦が止んで、味方が駆け寄ってくるのさえも、よく分からなかった。
それまま俺は、ちっぽけな病院代わりのテントへと運ばれた。
.
それから、どれくらい経ったんだろう。
目をうっすらを開けたときに見えたのは、テントの天井と、横で外を眺める医師の姿だった。
(……家だったら、良かったのにな…)
戦場から戻れるわけないよな、と淡い期待を抱いていた自分を戒める。
ゆっくりと体を起こすと、お腹が酷く痛んだ。
医師は、信じられない、とでも言うような顔で、俺を見ていた。
そして、こう呟いた。
「……なぜ、生きられたんだ…」
聞いてみると、実は俺が受けたのは殺傷能力の高い、毒がすりこまれた弾丸だったそうで、生存確率は1%にも満たなかったらしい。
手は尽くしても、目は覚められない植物状態だろうと。
医師からの説明をうけて、自分でも驚いている最中、一人の医師が俺宛の手紙を届けてきた。
手紙は、母からだった。
父は前の戦争で戦死してしまったから、母とAと俺との三人で暮らしていた。
何かあったのか、少し恐れつつも、封を切る。
.
.
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
Aが、今朝、亡くなりました。
近くの湖に、身を投げたのです。
Aが昨日突然、「やだ」と言って、泣き出しました。
Aさんが、あなたの危険を感じたのでしょうか。
そう考えたら、あなたのことがとても心配です。
どうか、この手紙が届いてくださりますように。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
そのとき、俺は分かってしまった。
.
俺のみがわりに、Aが、死んだんだ＿＿＿＿＿＿＿
「っ……う…うあああああああああああああああああああっ！！！！！！！！！！！！！」
どうにもならない後悔で、俺は大声で泣いた。
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如音 梨音(プロフ) - 清香-きよか-@リツさん» いえいえ！こちらこそレスを返していただけるなんて…恐悦至極です… (2017年12月7日 16時) (
レス) id: 41af6f969f (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-@リツ(プロフ) - 如音 梨音さん» なんと…とても有難いです！信者だなんて…嬉しいです〜！今後もぼちぼちですがおすまんは書いていくと思うので、そのときはよろしくお願いしますね！笑 (2017年12月6日 22時) (レス) id: 133be5b033 (このIDを非表示/違反報告)
如音 梨音(プロフ) - 清香-きよか-@リツさん» 前作から見ております清香さん信者でございます…オスマン先生大好きなのでありがとうございます！ (2017年12月6日 21時) (レス) id: 41af6f969f (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-@リツ(プロフ) - 如音 梨音さん» ありがとうございます…！学パロのおすまんは大好物なので書きました← 頑張らせていただきますね…！ (2017年12月6日 20時) (レス) id: 133be5b033 (このIDを非表示/違反報告)
如音 梨音(プロフ) - オスマン先生ー！大好きです！これからも頑張ってください！ (2017年12月6日 18時) (レス) id: 41af6f969f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清香-きよか- | 作者ホームページ：http://twitter.com/kiyoka_uratsuku/
作成日時：2017年11月22日 21時
