秘密授業 □utu ページ13
冬の完全下校時間は6時。
自習をしていた皆が、10分前に慌てて教室を出る頃。
私は、一人、誰にも見つからないように、屋上へ続く階段で座り続ける。
はやく、皆が帰ってくれれば。
「おぉ、やっぱおった」
＿＿＿＿＿先生が、私を見つけてくれる。
『この時間まで残れって言ったのは、先生じゃないですか』
「あぁ、せやな。でもAが教えてもらいたいものがあるからって」
『先生、言い訳です。』
「悪い悪い。」
教えてもらいたいのは生徒だから当たり前。
教えるために最後まで残すのは、先生だからじゃないんでしょう？
先に階段を降りていく先生の後ろ姿を眺めながら、もどかしさに胸を焦がす。
許されるなら、あの煙草臭い背中に飛び付きたい。
「A、こっちおいで」
先生が、教室の前で手招きをする。
近くに寄ると、そっと背中を押されて教室に入れられた。
外は、もう真っ暗だ。この中を徒歩で帰るなんて、学校に泊まったほうがマシだ。
バレるといけないので、電気は教卓の電気だけつけた。
先生は真ん中の列の右に座って、私はその左に座る。
鞄に入っていたプリントを取り出して、「ココです」と問題を示す。
「ん、じゃあ机そっちのだけ使うか」
少し音を立てて、先生が椅子を持って私の正面に来た。
「図形苦手やなぁAは」
『正多面体がさっぱりで』
「中学校からやり直したほうがええんちゃう」
先生は、ふっ、と眉を下げて静かに笑う。
「あー、でも、他の問題はやっとんのね。丸つけしよか？」
『じゃあ、お願いします』
プリントを先生のほうに向けると、先生は赤ペンを持って眺め始めた。
「…」
『…』
「………なに？」
頬杖をついて、じーっと先生を眺めていたら、先生にバレていたみたい。
『なんでもないですよ』
「なんにもなくたって、そんな見られたら恥ずかしいんやけど」
先生はそう言って少し笑うと、表情を真顔に戻して、私の顔を見る。
私も一切表情は変えずに、それに返すように見る。
.
.
不意に、先生と私の唇が重なった。
私がビックリして目を開けていると、先生がからかうみたいに笑った。
『…な』
「予想外やった？隙ありすぎなんやもん、」
『………まだ、告白してないんですけど』
「ん？告白するつもりやったん？」
『当たり前じゃないですか』
「必要、なくなったな」
それから、また少しだけ、キスをした。
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如音 梨音(プロフ) - 清香-きよか-@リツさん» いえいえ！こちらこそレスを返していただけるなんて…恐悦至極です… (2017年12月7日 16時) (
レス) id: 41af6f969f (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-@リツ(プロフ) - 如音 梨音さん» なんと…とても有難いです！信者だなんて…嬉しいです〜！今後もぼちぼちですがおすまんは書いていくと思うので、そのときはよろしくお願いしますね！笑 (2017年12月6日 22時) (レス) id: 133be5b033 (このIDを非表示/違反報告)
如音 梨音(プロフ) - 清香-きよか-@リツさん» 前作から見ております清香さん信者でございます…オスマン先生大好きなのでありがとうございます！ (2017年12月6日 21時) (レス) id: 41af6f969f (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-@リツ(プロフ) - 如音 梨音さん» ありがとうございます…！学パロのおすまんは大好物なので書きました← 頑張らせていただきますね…！ (2017年12月6日 20時) (レス) id: 133be5b033 (このIDを非表示/違反報告)
如音 梨音(プロフ) - オスマン先生ー！大好きです！これからも頑張ってください！ (2017年12月6日 18時) (レス) id: 41af6f969f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清香-きよか- | 作者ホームページ：http://twitter.com/kiyoka_uratsuku/
作成日時：2017年11月22日 21時
