またしても、恋愛の主役は我々だ！【短編集】 (ページ36)

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ゆびきり ◆shao ページ36

彼は、とても正義感の強い人だった。

彼、シャオロンとは、幼稚園の頃からの幼馴染み。
そのままずーーーーーっと一緒だった。
大学まで一緒。
意図して共に生活してるわけでもなく、気付けば、お互い傍にいる。
そんな感じで、それに変な感情も抱くことはなかった。

中学時代、私はいじめにあっていた。
繰り返される机への落書き、教科書は破られ、筆記用具も無くなる。
酷いときには、外靴がなくなったこともあった。
周りに分からないよう時間を選んでされていたいじめは、クラスメイトも半分以上知らず、誰も異変に気付いて助けてはくれなかった。

シャオちゃんが気付くまでは。

「お前ら、いつもそうやってAいじめてたんか！！！
サイッテーやな…二度とAに近付くな！！！！」

シャオちゃんが先生に言ってくれたおかげでいじめは発覚し、
リーダー格の女子生徒は転校。
男女いたいじめっ子は徐々に人数が減っていった。

「Aを傷付ける奴は絶対許さへん。
俺はずっとAの味方や。
だから、約束してほしいんや。
何かあったら、すぐ俺に相談せぇ。
ほら、ゆびきり。」

約束事をするとき、彼は決まってゆびきりを要求した。
それに応じると、
「よし！今ちゃんと約束したからな！破んなよ！」
と念を押していた。

そんな彼の頼れる所に、私は次第に別の感情を抱いていたのだと思う。

.

.

「シャオちゃんお仕事お疲れ様～」
「あぁ～Aの肩揉み気持ちえぇ～」

私のサービスに満足の様子を見せる彼氏。
ソファーでぐてーっとする正義漢も今では愛らしいペットのよう。

マッサージが終わったあと、彼はこう言った。

「なーA。またゆびきりせんか？」
「え？うん、いいよ？」

小指を差し出すと、シャオちゃんの小指が絡んでくる。

.

.

「約束。もう俺から離れない。

.

俺と、結婚してほしい。」

絶対、破るもんか。

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「どっちの手でもいいから、小指を出して」っていうの入れたかったな…(私情)