またしても、恋愛の主役は我々だ！【短編集】 (ページ32)

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装飾が施された書記長室の扉。
もちろんその脇にはジャック・オ・ランタンが置いてあり、口の中の蝋燭が、暗い廊下をほんのり照らしていた。

kn「決まり、ちゃんと守れや？」

小声で私達に注意を促すシッマ。

そう。このハロウィーンのイベントにおいて、私達参加者である幹部は、総統から規則を定められている。

1.部屋に入るときはノックを3回すること。
2.部屋の中から返事があった場合、その場にいる者全員で声を合わせ、
「Trick or treat！！」と言ってから部屋に入ること。
3.笑顔であること。
4.仮想に見あった登場の演技をすること。
5.尚、演技審査は部屋の中にいた者が行うこと。

もうイベントというかコンテストだよね。
しかし、この規則を破ると仕事を倍に増やされる。
去年、ぺ神とゾムが規則を破って仕事増やされていたのを、震えながら見ていたのをよく覚えている…

私と大先生はゆっくりと頷く。それを確認したシッマが、扉を3回ノックした。

tn「どなたであるか」

トントンの声が聴こえる。

小声で「せーのっ」と言って、扉を開けながら叫んだ。

「「「Trick or treat！！！！」」」

書記長室には、フランケンシュタインの仮装をしたトントン、
魔法使いの仮装をしたオスマン、キョンシーの仮装をしたひとらんがいた。

私達の演技を見て、トントンは手に持っていたバインダーに、何か記していた。

tn「……ん、お菓子をやろう」
kn「よっしゃぁ～！」

トントンはテーブルの上に置いてあったダンボールから、フィナンシェを取り出した。

os「お取り寄せのフィナンシェめう」
ht「それめっちゃうまかった」

オスマンはステッキをブンブン振り回しながら近づいてきた。
その後ろのひとらんは顔の前のお札を鬱陶しそうに触る。

os「俺らも一緒に行く～」
「うん、トントンは？」

そう問うと、トントンはバインダーをコンコンと叩いた。

あぁ、評価があるのね…大変そうで。

トントンに頷いて、部屋を出た。

「次どこ？」
os「多分ゾムの部屋。ぺ神とエーミールがいるはずや」