Us story.[ヒ.ジ.キ] (ページ2)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:1,745 hit

Hira`s story,2 ページ2

翌日、もちろんそれは噂になり、事件になり、裁判になった。

俺は国外追放を言い渡された。

その時、地区長は怒り狂って俺に散々暴力をふるった。

お母さんとお父さんは、必死に俺を守って謝っていた。

国外追放は、5歳になってから、と言われて、そこからは近所から忌み嫌われた。

俺だけじゃなく、お父さんやお母さんまで。

なんでだよ。

どうしてだよ。

これでやっと、悪口言われなくなると思ったのに。

.

.

そうか。アイツを殺しただけじゃ変わらないんだ。

誰にも貶されない、そんな世界を作らなければ。

俺を中心にして国民がぐるぐる回っていくような、そんな国を作らなければ。

当時2歳の俺は、そう心に決めた。

思考は、普通の2歳児とは大きく異なっていたと思う。

普通の2歳児はこんなこと思わないもん。

そこから、俺は孤独にも生きた。

国外追放も、笑って家族の元を離れた。

お母さんの背中には、小さな俺の妹がいた。

可愛い妹だった。俺に似つかない程の。

俺は柔らかな妹の手を優しく握って、ディフェルを旅立った。

.

.

.

.

そこからは、ずっと、ずっとずっとずっとずっと。

キヨやフジに出会うまで、約7年間の孤独が続く。