thirty four. ページ34
その光景に私は思わず、瞬時に目を背けた。
「ひっでえな…どれもこれも全部…」
ピーピーピーピーと成分調査機のレーダーが激しく反応する。
ここにある塊は、人間だったモノ…
なかには、うごめいているモノまであった。
ガラスを隔てているハズなのに、悪臭は漂う。
「気持ち悪い…キヨ…はやく行こう」
「あぁ…」
キヨも顔色が青くなっていた。
下を向いて、手で口を抑えながらその部屋を出た。
次の部屋は、さっきまでの地下の雰囲気漂う薄暗い世界ではなく、
眩しい、白タイルが壁と床一面に敷き詰められた部屋だった。
真っ白で空虚な空間に、一つの人影と、大きな台が見えた。
「…ようこそ、僕の『研究室』へ。」
P-Pさんは、笑みを浮かべながら、台の上に乗る保管カプセルを撫でた。
「よぉ…P-P、一つ質問するぜ…」
「なぁに?なんでも答えるよ!」
.
.
.
「_____その人形はなんだ?」
キヨは、P-Pさんのそばにある、保管カプセルの中身を指差した。
「…………すごいでしょ」
P-Pさんは自慢と言わんばかりにそのカプセルの周りを歩く。
「ここでの研究の成果だよ!
あぁ本当に素晴らしい…綺麗で、完璧で、最強だよ。
君達はこんなの見たことないだろ?
僕の、『人造人間[doll]』。」
キヨは、一息ついて答える。
「…陰気臭ぇお人形だなオイ。そんなもの、異物極まりないが?」
「分かってないなぁ。これは人造人間だ。
見た目なんてどうでもいい。
大事なのは、性能と、知力と、忠誠心だけ。
主に仕え、頭の冴える、最強の兵器なんだよ?」
「だから、それが気味ワリぃって言ってんの」
P-Pさんはキヨの顔を見て、ため息をついた。
「キヨ。君にはきっと、いや、到底理解し難い。
君は自分自身が兵器だったもんな?
自分でも言うが僕は非力だ。
だから、僕の右腕を作った。」
キヨは黙ってP-Pさんを睨み付ける。
それでも、P-Pさんは構わず喋り続けた。
「やっと試す時が来たよ。
.
.
……君には、良い実験台になってもらうんだ。
_____A。」
P-Pの両隣から、かつての黒マントの二人が。
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清香-きよか-(プロフ) - simezi2♯ミッフィー。さん» キャーーーーありがとう有名めじちゃん!!!!!! (2016年9月22日 17時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
simezi2♯ミッフィー。(プロフ) - 続編おめでとうううう!!!!!!!!!!!更新頑張れよお!!!!!!!!!!!!!1 (2016年9月22日 17時) (レス) id: 99e2b92fd1 (このIDを非表示/違反報告)
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